Shop #03 鎮座のまんま碧

2023/9

敷地の選定から始まった今回のプロジェクト。店名にもある「鎮座」がもつイメージと景観を考慮し、鎮守の森のように見立て木々が集まるエリアを選定。建物は神霊・みたまが鎮まりいることを意味する「鎮座」と、シェフの「今その時のお腹を満たすだけの食事ではなく、生命そのものを感じる『食』の原点と向き合う時間を作りたい」という考えから、建物は「生命の源(みたま)である食材が集まり料理となって人と結ばれる特別な領域」として構成を始めました。
食材が集まり料理が作られる厨房を「磐座」(神霊が鎮座し宿る岩)と見立て、そこを中心に特別な領域を示す「紙垂」と仮に設えられる「社」を基に建物のコンセプトを「紙垂の社(やしろ)」とし、紙垂の互い違いの形を基に建物を構成しています。
屋内空間では、外と領域を分けつつも自然景観を取り込み、1人では自己の内面と、複数人では人同士が向き合い心を交わす空間となるような構成としています。建物自体はあくまで仮設建築としつつ、自然素材を用いた簡素な作りで、空間や時間、料理やそこに宿る生命感が引き立つ建築としました。

構造/木造平屋建て 用途/飲食店 面積/130.46㎡(39.46坪)